東京都知事選:最後まで正面切った政策論争を。それが都政転換への流れを生み出す。(3/22追記あり)

 いよいよ都知事選告示が迫ってきました。浅野史郎氏が立候補表明する前後から、石原都政を変えるための議論が少なくないブロガーの間で議論が行われてきたのを見ていて、立場は違えど石原都政を変えたいという思いがやはり強くなっていると感じました。
 ただ、告示目前に至って、どうやら対石原対候補の間での歩み寄りはなされなかったようですね。仕方ありませんが、これはこれである意味当然の帰結ともいえます。

 ということで、この段階で言えることは、2期8年の石原都政でおかしくなってしまったことをどう正していくのか。そのための政策を、各候補が訴え抜いていくことしかないと思います。それをすることを通じて、石原都政を変えたいという人々の思いを掘り起こし、投票行動に結び付けていく。これは、吉田万三候補を支持する人も浅野史郎候補を支持する人にも共通の課題だろうと思います。

 もちろん、どうしても一本化が必要という場面も出てくるかもしれません。その場合にもやはり大事なのは、石原都政の何を変えるのかという政策が基準にならなければ成らないと思います。それをあいまいにしたまま候補を統一したところで、降りたほうの候補を支持していた人の力が引き出せるとは思いません。それどころか帰って運動がとまってしまうかもしれません。
 そもそも、吉田候補にしても浅野候補にしても、選挙の戦い方はそれぞれが最善と思うやり方で取り組んでいるわけだから、本来なら簡単に統一できるものではないでしょう。だからこそ、統一候補を目指すなら相手のやり方を尊重する態度が必要だったはずです。
 しかし、当初のころは、吉田候補を支持する人たちに向かって「勝てそうにないから降りろ」とか「とにかく石原降ろしが最優先」というような政策抜きの意見が出ていて、一方で共産党の浅野氏批判を巡る論争なども生まれて、なかなかそれぞれの運動を尊重しつつ共闘の可能性をさぐるという方向が出てきませんでした。そんな状況のままではおそらく候補者一本化はできないと感じ、だから、下手に一本化するぐらいなら、ガチンコの政策論争を(東京都知事選:浅野氏の「本気」度を測りかねる。私は吉田氏を支持する。)と書きました。

 その後の議論の中で「一本化するなら政策のすりあわせが必要」「対石原候補間で話し合いを」という冷静な意見が出てくるようになり、支持を異にする人の間での議論がある程度進んできたと思います。もう少し時間があれば、少なくとも対石原候補、吉田候補と浅野候補の間での話し合いが実現したかもしれません。でもいまはそんなことを言っても仕方ありませんので、目前の選挙に、支持する候補の政策を持ってガンガン論争を仕掛けることをするしかないと思っています。

 なお、浅野氏が3月20日に発表したマニフェストを読みました。ずいぶん具体的になっていましたね。政策宣言も、何をいつまでにやるかという点も含まれていて、以前に比べればそれなりに明確になってきたかと思います。
 ただそれでも吉田氏の都政改革プランがまだ具体的だと思っています。具体的なことと、憲法とのリンクがはっきりしている点が、私が吉田氏を支持する理由でもあります。

 しかし、これだけ政策がはっきりしてくれば、きちんとした政策論争の基本になると思います。なので、各候補ともそれぞれの候補の政策を元にどんどん政策論争をしてほしいし、やっていきたいと思います。
 (といっても、ネットでやると公選法に引っかかりそうなので、選挙期間中は知人友人に直接会ったり電話なりで話するぐらいしかできませんが。ホント公選法ってひどい「べからず」法律ですね。)

 いよいよ東京都知事選告示です。いろいろたいへんではありますが、めげずにあわてずにやれるだけのことをやっていきたいと思います。

【追記】吉田万三候補のサイト「のびのび東京!吉田万三」の万三さんの掲示板に、東京を。プロデュース2007の服部泉さんという方の、同会が過去1年半の間に共産党(革新都政をつくる会を含む)とどうコンタクトを取ってきたかをまとめたものを、同会のサイトに掲載したとの投稿がありました。浅野史郎候補がどういう経過で選ばれてきたかを確認する参考になると思いますので、勝手ながらこちらでも紹介させていただきます。公開されました同会に敬意を表します。
 これをみますと、いろいろ取り組まれてきたことがわかります。これについて評価等はしませんが、個人的には出来たのならもう少し早く知らせていただけたらとの思いはありますが、今回の都知事選に望むに当たり参考になる資料と思っております。

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この記事について

このページは、moony(M. H. Square.)が2007年3月21日 01:40に書いた記事です。

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