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国民投票法案:「ちいさな出来事」が残す「小さなわだかまり」を忘れないように

 民主党が採決に同意した時点でわかっていた結論ではあったが、実際に決まってしまうと、言葉にならないマイナスの感情が体のなかにどんどん溜まっていくのをやはり感じてしまう。
 あまりにあからさまに、恥としか言えない様な愚劣な法案が、勘違いした為政者のゴリ押しだけで通ってしまい、国民の意思よりその空気を読んでしまう最大「野党」がいるという現実。怒りを通り越して、いや、湧き上がってこない怒りなど通り越せるはずもなく、ただただ虚しい感情だけが体の奥底にどんどん沈殿していく。

 と書くと大げさになってしまう。実際には、とても淡々としている自分がいて、その自分の中のどこかに、小さく暗く重いものがひとつ沈んでいったというのが正直なところ。ただ、確実に、かつじわじわと自分の気持ちを侵食するものがまた一つ増えたことだけは間違いない。でもたぶん、明日もまたあまり変わり映えのしない生活がつづくのだろう。

 実際、そういう変わり映えのしない生活というのは結構面倒かつ忙しいもので、こういう事態になにかしようと考えるが意外に時間を作るのが難しい。世の中にはいろんなことが起きていて、それはマスメディアなどを通じて日々私たちの元に届けられる。私たちはそれをまさに他人事として受け流しつつ、変わり映えのしない生活を続けている。

 あのどうしようもない愚劣な法案が採決されたと聞いて、突然思い出したのが、さだまさしの「前夜(桃花鳥)」という歌だった。1982年発表の「夢の轍」というアルバムに収録された弾き語りの静かな歌だ。
 その「前夜(桃花鳥)」にこんな一節がある。