「あいつらは○○だ」というヤツが一番怪しい

中日新聞:減税恒久化再び提案 市長、議員報酬半減案も:河村vs市議会(CHUNICHI Web) (http://www.chunichi.co.jp/article/feature/vsshigikai/list/201004 /CK2010041902000194.html)

 名古屋市議会の4月臨時会が19日、開会し、河村たかし市長は、2月定例会で減額された地域委員会の関連予算約4200万円の復活を盛り込んだ補正予算案や、「2010年度限り」と修正された市民税10%減税の恒久化、議員報酬を半減する条例案などを提出した。河村市長は議員報酬と定数の半減を訴えてきたが、臨時会では報酬に絞った。

 議会側は補正予算と減税は「2月定例会で決着済み」として否決する構え。議員報酬は市民から「高すぎる」との声が強い現状を踏まえて各会派で見直す議論も始まっており、焦点になりそうだ。

 河村市長は提案理由で「減税、地域委員会、議会改革は『主権在民3部作』。政治はどうあるべきかを問いたい」と表明。「報酬削減は多くの市民が望む改革。議員が税金で身分保障される現状を変えたい」と訴えた。

 質問に立った鷲野恵子氏(共産)は「臨時会は必要性も大義もない。招集権の乱用だ」と市長の姿勢を批判。報酬について「半減を押しつけるよりも、市民も加わった第三者機関で決める方が民主的だ」と迫ると、河村市長は「まず議員自身がいくらが適当か言うべきだ」と反論した。

 梅村麻美子氏(民主)は「市長の悪意に満ちたウソで、過度の議会批判の世論が形成された」と市長を批判。河村市長は「人を犯罪者扱いして名誉棄損だ」とやじで応酬した。

  東京都にしろ大阪府にしろ千葉県にしろ埼玉県にしろ横浜市にしろ杉並区にしろ・・と書き連ねるときりがないくらいに、ポピュリズムの手法を使う「首長」が多いことにうんざりする。

  名古屋市の河村たかし市長もそのひとり。「改革」だと言って議会を非難し、市税10%減税を議会が否決したことを利用して(というより否決することを見越して)、議員定数と報酬の半減を持ち出した。


 やっかいなのは、そういう奴らが言いつのる非難の中に、もっともらしく聞こえる主張が紛れており、それが妙にインパクトがあるという点だ。例えば議員報酬の額に対する非難などはそれにあたる。

 たしかに政令市や県議レベルになると、議員報酬もそれなりの額になる。それに見合った働きをしている議員がどれだけいるかと考えると、とてもそうは思えない議員も少なからずいるのは、地元の議会議員を見ていてもわかる。

 だからといって、「あいつらは税金泥棒だ。やめさせるか報酬半減だ」と言いつのるのは民主主義的に正しくない。それは、言ってしまえばナチスの手法と同じだからだ。「奴らは敵だ。だから排除しなければならない」と言っているのと同じだ。

 必要なのは、本当に見合った仕事をしているかどうかを徹底して調査することだ。それも、当事者を関わらせない第3者の徹底調査が。そうして明らかになった事実を元にして初めて、どういう対応をすべきかを、当事者や有権者がともに考えるのが民主主義の筋である。こういうプロセスそのものが民主主義なのだ。

 そのプロセスを飛ばして「あいつらはダメだ。そういう状況を改めなければならない」というようなことを言うのは、たとえ100%正しいことを言っていても、民主主義をまったく理解しておらす、市長のような一定の権力を伴う地位につくにはまったくもってふさわしくない。名古屋市のケースでは、議会側に批判されるべき点が多々あったとしても、市長がそれを取り上げて「やつらの頭数を減らせ。報酬を半減しろ」というのは、まったく正当性を持たない。

 しかも、それをどっちもどっちみたいにしか取り上げないメディアの姿勢もおかしい。民主主義の大切さを理解しているなら、ポピュリズム的手法をつかうことに批判を加えるべきである。そういうことをしないで両論併記みたいな立場をとるから、信頼を落とすことになる。

 しかし、上で上げた自治体だけでなく、この名古屋市といい、鹿児島の阿久根市といい、どうしてこうアホな(以下略)

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