解散総選挙:安易な政権交代なら、誰にも安定政権を作らせない状況を作るほうがマシだ

 さて。ついに解散総選挙となってしまいました。郵政民営化で何を目指しているのか、何がどう変わるのかということがそっちのけのまま、小泉首相の「手法」に対する自民党内の反発が爆発するのを受けて、首相が「自爆的」に衆議院を解散(これは私見ですが・・・)、という、なんともどっちらけな結末。しかし、「改革」を看板に、労働者をひたすら生き残り競争にあおりたてる政策をごり押しし、お金のない人々=いわゆる一般の国民からひたすら金を絞り上げるような政策を進めてきた小泉自公政権に対して、またとない絶好のタイミングで審判を下せる機会がやってきたのですから、これを利用しない手はありません。この機会に、腐った自民党政治をぶち壊してしまいましょう。
 とはいえ・・・

 今回の総選挙でどれだけ変化の展望を作れるかと考えると、正直なところあまり期待できないと思っています。仮に選挙の結果、自民党が下野するとして、代わりに政権を担当できるような勢力(とりあえず「能力」ではない)を現在持っているのは民主党ですが、やや多数の「右派」議員と少数の「極右」および「左派」議員が「選挙互助組合」的に寄り集まっている(あくまで私見ですが)ところにはどうにも期待できない。正直なところ、民主党に「政権交代」したところで「何がどう変わるのか」が見えないのです。今度の選挙公約でたとえば「イラクからの自衛隊即時撤退」、百歩譲って「2005年内撤退」を掲げるならば、考えなくもないですが・・・まあこの辺は実際に公約が出てきてから判断したいと思いますが、今のままでは支持するに至らない、と考えています。
 で、もちろん「政権につくこと」しか考えていない公明党は論外ですし、今回の選挙で共産党や社民党が大幅に勢力を伸ばすとも思えない。おそらく自民党の郵政反対組で作られるであろう新党にしても、健闘するかもしれないけれど、そんなに勢力を確保できるとも思えない。

 じゃあ、どんな形がいいんだ、というお怒りの声が聞こえてきそうですが、私は、今回の総選挙では、一言で言うと「多党乱立」という形になるのが最善ではないかと思うのです。もう少し説明すると、単独過半数を制する勢力はどこもない状況です。政権をとるには連立しかなく、しかも第1党(自民党または民主党)が、公明党または新党と連立しても過半数に届かないぐらいがいい。自民党が今の民主党並みの議席数に落ち込み、公明と新党も20を越えないくらい、そして共産・社民または無所属などの勢力がが一定の議席を確保する、という状況です。
 要するに、どう転んでも誰にも過半数を越えるような安定政権が作れない状況が、今の情勢では「よりまし」な選択ではないかと思うのです。政権が不安定であれば、選挙も増える可能性がある。選挙が増えるということは、民意を問う機会が増えることですから、これは歓迎すべきことでしょう。総選挙が毎年行われるようになれば、日本の政治は意外に早く変わっていくかもしれません(これぐらいのコストなど、公共事業などの無駄づかいに比べればたいしたことはないでしょう)。今回の選挙は小選挙区制で行われますが、そんな状況を作るためにも、安定政権を作らせない状態にすることが必要ではないかと思うのです。

 私は、日本に暮らす人たちの価値観は、曲がりなりにも多様化していると見ていますが、政治のシステムは、その多様化を反映するよりは、むしろ小選挙区制によって無理矢理集約されるようになっています。このギャップを埋める必要があると考えています。そのためには、いずれ選挙の仕組みを変えることも必要でしょう。選挙公約で、小選挙区制の廃止と比例代表制もしくはそれに準ずる制度への移行を打ち出すところがあれば、検討する材料になるかと思います。

 とにもかくにもいろいろ難しい情勢ではありますが、今後の大きな変化を作るためにも、政治に多様な意見を反映できるような道筋をつけられるような選択をしたい、と思うのです。

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