派遣業界を育てたご公儀が、派遣業界の親玉になった

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 ここまであからさまに「天下り」されると、なんと言いますか、心底あきれてしまいます。
 生活できない賃金で働かざるを得ない人々を大量に生み出すことにつながった2004年の改正労働者派遣法の成立に深く関わった竹中平蔵氏。この法改正で実施された製造業への派遣解禁により、派遣業界が大いに活性化したことは周知の通り。
 その竹中氏が、よりによって派遣業界トップクラスのパソナグループの会長に納まるという。しかも就任は総選挙の結果が出る直前の8月26日だそうです。

 ネタなのか本気なのか、それとも開き直りなのかと、つい余計な詮索をしてしまうぐらいの「天下り」劇。ただの天下りでないのは、東京新聞9月8日付「こちら特報部 ニュースの追跡」(画像)を参照いただければ一目瞭然です。一言で言えば、権力を使って口入れ屋(手配屋?)を大きく育て、頃合いを見計らってそこの親玉に収まり「果実の収穫」に入るということになりますね。自分の資金で投資したならばいざ知らず、閣僚として育成に努めた産業で、自らの懐は痛めずにもうけようというのだから、恥知らずも良いところでしょう。

 こういう人たちが、たいてい口にする「主張」に「トリクルダウン理論」があります。いわゆる「金持ちを儲けさせれば貧乏人もおこぼれに与れる」という「経済理論」。大企業なり財界の人たちに多いですね、これを言いつのる方々は。
 で、その理論にそって、今回の「究極の天下り」を解釈すれば、「俺(=竹中氏)に儲けさせれば、非正規の人たちの仕事の口をふやし、給料アップも実現するぞ」と言っているようなものです。

 こんな事をされても、派遣という働き方が本当に必要なのか。根本的に間違っているとしか思えない今日この頃であります。

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