ロンドン同時テロ:また「アルカイダ」のせい?

 一昨日のロンドンのテロ、さっそくというか何というか「アルカイダ系の特徴」東京新聞 2005.7.8夕刊)などという話になっているようです。「アルカイダ」もずいぶん便利に使われるようになったものだとつい思ってしまう私はやっぱり変ですかね。でも、「アルカイダ」を仄めかしておけばなんでもオッケーみたいに考えているフシがあるのを、サミット首脳やらメディアなどやらにどうしても感じてしまうのですが・・・。

 そういえば先日、NHKBS1「BS世界のドキュメンタリー」で、英BBC2004年制作(!)「テロとの戦いの真相」(3部作)という番組が放送されていましたが、その中で、「アルカイダ」という「国際テロ組織」というのは、アメリカを狙うテロ組織という「敵の顔」(誰にでも「見える存在」にすることか=筆者)を必要としていたアメリカ当局が作り出した「幻の組織」ではないか、という話が出てきます。昨年秋に英国で放送されて大きな反響をよび、先のカンヌ映画祭でも秀作ドキュメンタリーとして上映されたそうです。
 私は、ちょうどその第3部にあたる「幻のテロ組織を追って」を見たのですが、9・11以降、「アルカイダ」を探して、怪しいと見たアラブ系住民を次々拘束していく米当局者の姿を浮き彫りにしています。単なるディズニーランドの観光ビデオが「テロの下見の証拠」とされるなど、強引に「テロ組織」の存在を「証明」していく過程が丁寧に描かれていました。
 ちょうど1年ほど前、「日本にもアルカイダ潜伏」で一騒ぎ起き、潜伏していたとされるアルカイダ幹部との関与が疑われた在日バングラデシュ人、イスラム・モハメド・ヒム氏が43日間拘束されるという事件も起きました日刊ベリタ 2004.8.27)が、結局関与を立証できず検察は「アルカイダと無関係」と認めるに至りました。番組の米当局と、この事件の日本当局がどうにも同じに見えてしまいます。(この事件は、大手メディアではほとんど訂正がなされず、検索を書けると未だ当時のままの記事が沢山出てきます。間違いだと分かっても訂正がなされない。ここまで放置されているのを見ると、逆に「デュモン」なる人物が本当に日本にいたのかとさえ思ってしまいます。)

 そんな番組を見た後に、あのマドリードの爆破テロと同じようなロンドンのテロが、「アルカイダのしわざかもしれない」と言われても、私はそんなものは額面通りには受け取れません。それを使ってまた何かしでかそうとしているんじゃないか、と勘繰ってみたくなります。なんでも勘でも「アルカイダ」じゃ、この事件でなくなった人たちがまったく浮かばれないように思うのです。

 なお、米英「有志連合」のイラク侵攻以降、関係がぎくしゃくしつづけていたサミット諸国が、このテロを前に結束を確認できたそうです。いやあよかったですね(←棒読み)。

 (ちなみに、「テロとの戦いの真相」の再放送は既に終わっていて、NHKによればもう一度放送する予定らしいですが、こんな事件が起こってしまっては、再々放送がされるかどうか微妙になってきましたね。見逃さないように注意したいと思っています。)

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