補足・意思表示なしの活動はありえない

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 自己トラックバックです。
 「自衛隊派遣問題」について「政治的中立はありえない」と書いたけど、誤解があるといけないので自己補足します。

 「中立」はありえないが、「現時点で保留する」ことはあると考えます。ホットな情勢のことなので、今すぐ態度を明らかにしなければいけない、などと思いこみがちですが、人が他者に対し結論を出すことを強制することは許されませんから、それこそマイペースで、この問題について考えをまとめればいいことと思います。そして然るべき時に自分の考えを明らかにすることを前提に「保留」することは、ひとつの意思表示として尊重されるものと思っています。

 もう一つは、「中立」という立場についてです。一般論として「中立」という立場はあると考えます。その立場が非常に重要になることも多々あります。ただ一方で、個別具体的な問題によっては、「中立」という立場そのものが無意味になるケースもあるでしょう。で、「自衛隊派遣が実行された状況下での、『隊員の無事と家族の支援』を行うこと」は、その「中立が無意味になる」ケースに当たるのではないでしょうか。
 (ただ、厳密に区別しておかなければならないのは、自身の思想信条のポジションを表す意味での「政治的(イデオロギー的といったら分かりやすいか)中立」と、ここで議題にしている「政治的中立」(個別問題に対する意思表示)とは全く意味が違うことです。)

 派遣に賛成だろうが反対だろうが、『隊員の無事と家族の支援』をどう行うかについては、議論を通じての具体化が行われれば、立場は違えど協力できることはあると思うのです。
 たとえば派遣に賛成ならば、派遣された自衛隊の役割を限定させるよう政府に圧力をかけることで、間接的に現地隊員の安全をはかることも可能でしょう。CPA(連合国暫定当局)指揮下に入らず、治安活動にも参加しないで復興事業に専念するようにするなどやり方はいろいろあります。派遣に反対ならば、派遣そのものをやめさせる運動を基本にしつつ、留守家族への支援協力なども可能だと思います。国論が別れている間でもできる行動はあるでしょう。

 今の日本で、ただ「政治的中立」を掲げつつ『イラク派遣隊員の無事とその家族の支援』を行うのは、現状の追認と同義になります。現状に対する意思表示がなければ、何をどうしたいのかはっきりしない活動になってしまうと思うのです。
 イエローリボンキャンペーンの趣旨には基本的に同意できるものですが、やはり「自衛隊派遣の是非」の議論から離れるのではなく、少なくともその議論の場を提供しつつ、立場を越えて共同でできる具体的な提起を作っていけるような場にしてほしい、と思うのです。

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