自衛隊派遣の是非の議論は不可欠

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ごまめのつぶやきさんから反論をいただきました。ありがとうございます。
 考えをまとめてられているとのことですが、まずは反論(「イエローリボン・キャンペーン」そのものについての賛否をめぐって)を読まさせていただいて感じたことを書いてみたいと思います。
 前もって改めて明記しておきますが、この議論は、今回のイラクへの自衛隊派遣問題に限っております。

 イラクに自衛隊が派遣されました。これは、国連主導のPKOとかではなく、この戦争を主導した米英中心のCPA(連合国暫定当局)の一員として派遣されています。いわゆるイラク占領軍の当事者としてです(小泉首相は「自衛隊は日本の指揮下」と言っていますが、こちらの記事(京都新聞より)にあるように、「CPA指令第17号」で「自衛隊は連合国の要員」として保護されることが明記されているようです。)。
 当のイラクでは、占領当事者(=「連合国の要員」)に対する「攻撃」(私はもはや「テロ」ではなく「抵抗」ではないかと思ってます)が激化しています。自衛隊はその占領当事者と見なされるのですから、「攻撃」のターゲットになる可能性はあるわけです。
 いまイラク情勢は、開戦の正当性さえ疑われるようになっています。その延長線上の、米英中心の連合国によるイラク占領自体の正当性も厳しく問われています。なのに、その占領当事者の側の一員として自衛隊がイラクへ派遣されるのです。
 送り出す日本の側もむちゃくちゃです。派遣することを先に決めておきながら、セレモニーとして先遣隊に現地の情勢を調査報告させる。しかもその調査報告も、先遣隊の報告者が帰国する前に、防衛庁と外務省があらかじめ作成しており、その内容もあまりに杜撰であることが明らかになってしまいました。
 そういう状況の中で、自衛隊の隊員がイラクに行く(正確には行かされる)のです。長々と書いてしまいましたが、要するにウソで始められた戦争の後始末に、ごまかしの理由で行かされるのです。
 以上が、自衛隊イラク派遣の大まかな経過でしょう。イラク派遣の賛否は別にして、だいたいこういう経過で事態が進んできていると見ています。

 国内外で、イラク戦争に対する賛否が問われています。自衛隊の派遣への賛否は、それと連動した重要な議論の課題となっています。
 日本は事実、イラク占領当事者の一員として自衛隊を派遣しているのに、その日本人が、その是非の議論を避けて「隊員の無事と家族の支援」が出来るものなのでしょうか。これが私の根本的な疑問です。

 派遣された以上は、送り出す方としてはその無事を願うことは当然だと思っています。
 でも「隊員の無事を願い、留守の家族を支援する」ことは、自衛隊がイラクに派遣されている事実があってはじめて成り立つ行為であります。自衛隊の派遣が前提になっているのです。自衛隊が派遣されていなければ、成り立ちえない行為です。
 イラクに自衛隊が派遣されているのに、その是非を考えることに参加せず「派遣された隊員の無事を祈り、留守の家族を支援する」ことだけするのは、気分感情としては理解しても、重大な事を見落としているか忘れているとしか思えないのです。

 イラク問題について、日本人は否応なしに当事者としての対応を求められています。民主主義国家であり、主権が国民にあるわけですから、一人一人が考えなければいけない状況に置かれています。
 「隊員の無事と家族の支援」は、素朴な思いとしては十分過ぎるほどわかっているつもりです。というより、私もかなりつよくそう思っているからです。
 でも、素朴な思いだけでは許されない立場に、日本は今あるのではないですか? イラクの占領当事者ですよ!日本は。それを決めたのは、選挙の結果として選ばれた今の小泉内閣です。直接の責任はその内閣にあります。でも、このイラクの問題について、日本人は民主主義国家の主権者として、いずれ(選挙などで)判断を下さねばなりません。それが日本人がいま持っている責任なのではないでしょうか。
 派遣の是非の議論に参加しないってことは、その責任を果たさないって言われても仕方ないのではないですか? どうなのでしょうか? あえて「悪く言えば『本気じゃない』」と書いたのは、こういう理由からです。

 また、派遣の是非を議論しないで「隊員の無事を祈る」となると、本来必要な派遣の是非の議論さえ封じ込めてしまう可能性があります。「現地で頑張っている隊員がいて、留守をあずかる家族がいる。その人たちに無礼ではないか」という論理が広まりはじめたら、その時の状況は「お国のために働いている兵隊さんに申し訳ないと思わないのか」という論理で戦争そのものへの批判や疑問を封じ込めていった戦前日本の状況とどこが違うのでしょうか?
 「素朴な思いを大事に」だけでは足りないのが、今回のイラクへの自衛隊派遣問題ではないかと思うのです。戦前と今とでは情勢が全く違います。だからこそ、「素朴な思いを大事に」というだけで、戦前と似たような状況を作ることだけは避けなければいけないのではないかと私は考えています。
 議論を避けるのは良くない選択だと思います。少なくとも議論の場をきちんと提供しつつ、「派遣自衛隊員が無事に帰ってこられるためと、留守の家族を支援するための行動」をみんなで考えていく必要があります。それがそれぞれの立場を尊重しつつこういう運動をやっていく条件ではないのかなと思っています。
 でも・・・実際、やるとなったら、すごい大変なのはよくわかります。国論を分けるような問題でどうやって一致点を作って行動を起こしていくのか、山のような試行錯誤がきっとついて回るでしょう。つい腰が引けてしまいます(実際私は生活に流されているし・・・泣)。だからこそ、避けられないのだから辛いところですね。ほんとに。

 ちなみに私(東京在住の30代後半の男です)は、具体的にどういう行動をしているかというと、地域労組の協議会のヒラ役員(非常勤です。日中は普通の中小企業の会社員です)をしておりますので、その関連での行動が多いです。
  • 派遣反対の請願署名集め
  • 反対運動を行っている団体(労組、市民団体等)へのカンパ
  • 反対集会・デモ・行動等への参加(子供の病気でここ二週間ばかりは参加できていませんが・・・)
  • 労組・市民団体等への申し入れ行動

 いわば旧勢力(爆)の活動の範囲ですね。最近の反対運動のやり方について、「こんなんじゃ何言ったって伝わらないよ?」などと思うことは、それこそ多々あります。頭の古い組合のオヤジさんたちが、30年前の感覚で勢いだけで活動していることも多く、閉口することも山のように・・・いまは自分とみんなの意思表示が大事と思ってやってますけど。

 あえて、暴論的であることを意識しつつ、一連の議論を書かせていただきました。大変失礼しました。
 表現が悪いことで不愉快な思いをさせてしまったことについて謝罪させていただきます。そこに込めた真意は変わりませんが、今後はきちんとした文を書くよう努力していきます。

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