週刊ヤングジャンプ「国が燃える」休載:「草の根」から始まる「全体主義」

集英社:「週刊ヤングジャンプ」の「国が燃える」休載 from MSN-Mainichi INTERACTIVE 2004.10.13

 波風立てたくなかったのか、それとも抗議の議員さんたちに「権力の影」がちらついたのか、理不尽な「言論弾圧」にあっさり屈した集英社。フツーあの程度の抗議は「承っておきます」程度で処理するもんだと思うが。
 

 問題なのは、この程度の抗議で休載するという実例を作ってしまったことと、議員という公権力保持者の言論弾圧を事実上受け入れてしまったこと、そしてこの「抗議行動」が草の根レベルから出てきたことだと思っている。

 阿呆らしくて小さな出来事かもしれないが、こういうことの積み重ねで社会が変わっていってしまったことは、すでにこの国は歴史上で実証済みだ。正直なところ、阿呆らしくて触れたくなかったことなのだが、どうもそうも言っていられないような状態に近づいているようだ。
 これからは、小さな事でもひとつひとつチェックしていく必要があるということか。エネルギーのいるシンドイことだが、自由と民主主義を維持するというのは、実際のところこういう取り組みの積み重ねの結果なのだろう。

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 私も『国が燃える』を見ていましたが、これを手放しで擁護する気にはなれませんでした。次の問題があったかと思います。

(1) 中国侵略の最大の責任者である石原莞爾を善玉キャラクターとして扱った。

(2) 南京大虐殺は松井石根や朝香宮が関知せずに起こされた(組織的犯行ではなく末端兵士の暴走)かのように描いた。

(3) 百人斬りを、軍に媚びた新聞の虚報であるかのように描いた。

 読者にこうした誤った印象を与えることによる平和勢力への不利益も大きかったのではと思います。
 本宮氏はもともとマッチョな作風であり、氏の弟子である江川達也は日露戦争賛美漫画を臆面もなく連載中です。氏の本質を見誤らないことが大事ではないでしょうか。

 Neznaikaさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

 おっしゃること、だいたいその通りと私も思っています。中国侵略に対するスタンス、日本軍の行為にたいするスタンス・・・その描き方に受け入れがたい点がいくつも散見されました。作品自体がどういう狙いをもって構成されているのか、きちんと踏まえて置かなければと思います。

 で、今回の件ですが、抗議したみなさんは、作品そのものの批評をしないで、自分たちが考えている事と対立する事柄をの取り上げたのが怪しからん、と言っているものと私は受け取っています。
 「抗議すること」自体はいいにしても、対立する事柄を取り上げること自体をよくないというのは批判にさえならないと思いますが、そういう「抗議」をうけて、作品そのものを問うこともせず「休載」という形で引っ込める対応は、民主主義に大きなマイナスになるのではないかと思うのです。

 難しいことかもしれませんが、批評・批判と只の意見のごり押しはきちんと区別されなければいけないと思っています。

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