「この国が属国」という定義

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 マッド・アマノ氏の「パロディ・タイムス」別冊である「別冊パロディ・タイムズ/リコール!小泉鈍(どん)一郎」が話題を呼んでいる。その理由はもうご存じのとおり、自民党の参院選キャンペーンをパロディにした「あの米国を想い、この属国を作る」のコピーに、自民党がクレームをつけたことにある。

 自民党がクレームをつけたということは、それだけ多くの人の思いにマッチしていることの裏返しであろう。私だって、あの自民党のコピーを見た時に、「この国」じゃなくて、「アメリカ」だろ、とマッド・アマノ氏のコピーとほとんど同じことを考えていたぐらいだから。きっと自民党員や支持者の中にも、アマノ氏のコピーに「その通り」と思った人が少なくなかったのかもしれない。だから、事の重大性(?)にあわてた自民党がクレームという挙に出たのかもしれない(まあ、これはオイラの勝手な想像に過ぎないけどね)。

 しかし、「日本がアメリカの属国である」という定義がずいぶんあっさりと受け入れられているなあと感じた。20年ほど前の頃(バブル景気が始まる前の頃)は、こんなことを言うと「日本は独立国だ」とか「何バカなこと言っているんだ」などとさんざんに非難されていたんだけどなあ。たしか、この頃にこういう主張をしていたのは日本共産党ぐらいだったし。「日本が属国」なんてことは、きっと夢にも思っていなかった人たちが大多数だったのだろう。

 それがいまや大きく様変わり。アマノ氏のパロディが評価され、これに対する自民党の対応が嘲笑の対象となる。かつて共産党だけが言っていたようなことが、いまや日本人の一般的な政治・社会認識の範囲に入りつつあるのだから面白い。いつの間にか、ではあるにしても、変われば変わるものである。

 てことは。この参議院選挙で何かが変わるかも。そうだとしたら、その変化がどんなものになるのか、ちょっと恐いけど楽しみでもある。

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